以前受けた相談の中でこのような話がありました。

「父親が亡くなり、しばらくして長男である兄から遺産分割の書類に実印を押すように言われました。内容をしっかり見させて欲しいと答えると、遺産分割の期限が迫っているので今すぐ押印しろと強く言われハンコを押してしまいました。」というものです。このような相談はよくあります。

急がないとお前のせいで相続税が高くなってしまう」などと脅しに近いことを言われた事例もありました。

 たしかに、相続税の申告・納付は被相続人の死亡から10カ月以内という期限があります。これは注意が必要です。

だからといって「遺産分割協議(遺産をどのように分けるかの話し合い)」を10カ月以内にしなければいけないということはありません。

 遺産分割協議が決着せずとも、一旦法定相続に沿った申告を行い、協議成立後に税金の修正申告を行えばよいのです。

正しい知識があなたを守ってくれる

 法律や税の知識が乏しいと前述のように「相続税が高くなってしまう!」などと言われると怖くなってしまうのも当然でしょう。おそらくこの事例で押印されたのは遺産分割協議書でしょう。ご自身でハンコを押したのは間違いないのですから「知らなかった」はなかなか通用しません。

後悔先に立たず

あとあと後悔しないよう専門家へ早めにご相談ください。

【追 記】

 相続発生後、長期間自宅等の名義変更をほったらかしている相続人が少なからず存在します。相続した不動産に何十年住んでいても、勝手に登記が変更されることはありません。遺産分割に期限がないことの裏返しで、何十年たっても全相続人で遺産分割協議をしなければならないのです。この点も注意が必要です。

~街の身近な法律家~

相続まるっと相談室 佐藤行政書士事務所